コロナ禍でもできること

この夏、大学スポーツ部のマネージャーを集めた研修会が初めて開かれた。大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)が主催し全国の7カ所に計40大学から113人が参加した。国内初の大学スポーツ統括組織として2019年に誕生したユニバスが、大学や競技の垣根を越え、優れたリーダー育成の支援と部を運営するマネージャーらに求められる役割を学ぶ機会になればと企画した。

東京会場に元気よく受け答えする1年生がいた。関東学院大学陸上部の山口颯土さんは「自分がやっている部活ばかりをみていると、そこに偏りがち。組織の目的を考えるなど普段考えないことについて実績のある方から話を聞けた」と満足そうだった。山口さんが陸上競技を始めたのは、箱根駅伝を走ってみたいと思ったのがきっかけだった。長崎県の強豪、松浦高校で鍛えた。高校3年の春にけがをして、自身が都大路を駆け抜ける夢はかなわなかったが、最後はマネージャーとして2年連続全国高校駅伝に出場したチームを支えた。

関東学院大陸上部にマネージャーとしてスポーツ推薦で入ったのは初めてのケースと周りから言われている。「けがで走れなくなったが、『箱根』という夢は変わっていないので、また違う形で夢を追いたい」。10月にあった箱根駅伝予選会で関東学院大は21位に終わり2021年大会の出場権は逃した。でも、続きはある。

「大学のマネージャーは、人、モノ、カネ、情報、すべてにおいて関わるような『プチビジネス活動』みたいなことをやっている。にも関わらず、自分を世話係と思っている人が多い。マネージャーは組織に成果をもたらす大きな役割がある。そういう仕事をしている誇りを持ってほしい」。研修の講師を務めたZENコンサルティング(福岡)の吉村宏太代表はそう話した。プロ野球ソフトバンクの新人研修なども手がけている。参加者に熱く語りかけたのは、自身も福岡大学の野球部でプロ野球選手を夢見て、挫折もあってマネージャーになった経験があるからだ。「その辺の気持ちは自分の経験もあるので、正しい方向に持っていければ」。研修会は実りあるものになった。参加者からは「やっていることが何につながるかわからなかったが、光が見えた」、「自信が持てた」などの感想が寄せられ、会は継続的に開かれるという。

新型コロナウイルスの感染拡大で、この春は入学式の中止や授業開始の延期など影響が広がった。4years.では「新入生に我が部の魅力を伝えたい」と思っている部活動を応援しようと、「新歓オンラインサロン」を展開し、全国のスポーツ部から多くのメッセージが届いた。今はビデオレター「2020を忘れない」を募集している。4年生にとり、集大成となる舞台に立てない悔しさやもどかしさは計り知れない。その中でも自分たちができる道を探して最後まで戦う思いを紹介できればと企画した。

大学スポーツといってもその活動は多岐にわたる。思いも様々。競技にまつわるドラマを追うだけでなく、その一つひとつに少しでも寄り添い力になれたら。劇的に生活様式が変わる中、改めて思う。

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