主催者挨拶
朝日新聞社 代表取締役社長 
渡辺雅隆

 本日は、「朝日メディアフォーラム」にご参加をいただき、誠にありがとうございます。本日のイベントの目的のひとつは、朝日新聞社が新たに始めたバーティカルメディア事業、そして、バーティカルメディアのためのプラットフォーム「ポトフ」をご紹介したいということでありますが、このイベントを通じまして、皆さまとともに、新しいメディア、とりわけデジタルメディアの方向性を探っていきたいと考えております。最後までお付き合いをいただければ幸いです。

 当社は来年、創刊140周年を迎える伝統的なメディアです。長年、紙の新聞をご自宅までお届けすることで、さまざまなニュース・情報をお客さまにお伝えしてきました。しかし、時代は変わり、ニュースや情報の受け取り方も大きく変わりました。紙の新聞は当社の場合、いまでも朝刊600万部、夕刊200万部をお客さまの元にお届けしています。その役割が失われたということでは、まったくないと思っています。ただ、ニュースや情報の受け取り方が多様化していることは、間違いありません。当然、その変化に合わせて広告についても企業側のニーズは変わっています。私たちメディア企業は、そうした変化に的確に対応していかなければなりません。

 こうした変化に対応しつつ、新しい時代のメディア企業へ進化していくために、この春、当社がスタートさせたのが、お客さまの興味、関心に即して特定のジャンルを深掘りするバーティカルメディアと、そのプラットフォームである「ポトフ」です。この「ポトフ」の中に、ミレニアル世代の女性の生き方をデザインする「telling,」、ペットと人の共生を願う「sippo」、「ひとりを楽しむ」をコンセプトにした「DANRO」などのバーティカルメディアを立ち上げました。さらにこの6月には、世界の動きを深掘りする「朝日新聞GLOBE+」、本との出会いをお手伝いする「好書好日」を相次いでオープンいたしました。いま、合計5つのメディアの運営を始めたところです。

 本日は、さらに二つの新たなメディアの立ち上げをお伝えしたいと思います。まず、認知症患者とその家族の方々に寄り添うためのウェブメディア「なかまぁる」です。9月のスタートを予定しておりますが、認知症と共にくらしていくために役立つ、信頼のおける情報を発信しつつ、弊社の140周年記念事業の一つである「認知症フレンドリープロジェクト」をささえていきます。そして10月には、大学スポーツに特化した「4 years.」をスタートさせる予定です。大学生活の4年間をスポーツに捧げるおよそ20万人の大学生アスリートと、大学スポーツを応援したいというユーザーをオンラインメディアでつなぎます。駅伝、野球、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、バスケットボール、バレーボール、ラクロスと、まずは8つの競技の情報を発信していきます。それ以降もコンスタントにメディアを立ち上げ、2020年には20を超えるメディアを提供していく予定です。

 こうした事業を展開するうえで、最も大切なのは、「お客さま第一主義」、「ユーザーファースト」です。当社は「豊かなくらしに役立つ総合メディア企業」を目指しています。お客さまの様々なライフスタイル、ライフイベントに合わせて、必要な情報やサービスを、必要とされる時に、必要とされる形でお届けしていく。メディアに期待されているそうした役割を自覚し、お客さまの期待に応えられるよう、努力を重ねてまいります。

 メディアの役割は「伝える」から「つなげる」に移りつつあります。当社も「コンテンツ&コミュニティー」の目標を掲げ、リアルイベントなども含めたさまざまなコンテンツを通じて「コミュニティー」づくりに貢献したいと考えています。すでに、アクティブなシニア世代に関心が高い紙面「Reライフ」とそれに連動したリアルイベント「Reライフフェスティバル」、子育てをしながら働く人たちを応援する「WORKO!」、内外の識者を集めて地球規模の課題を話し合う「朝日地球会議」、大学生や若手ビジネスパーソンたちと2030年の日本を前向きに考える「朝日新聞DIALOG」などに取り組んでいます。バーティカルメディアもその延長線上にあります。新しいメディアを通じて、様々な価値観を持つユーザーとの関係性を強め、そのうえで、ユーザーのニーズや知見を、EC(Eコマース)や課題解決型のマッチング事業、イベントなど、持続可能な次のビジネスにも生かしていきたいと考えています。

 「ユーザーファースト」を強く意識し、「コンテンツ&コミュニティー」の目標を掲げた当社の新たな挑戦について、是非、多くのご指導、ご助言をいただければと思います。本日は、いろいろなプログラムをご用意しています。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。